どこからでも手紙は届く 電子書籍版
275円(税込)
作品内容
2台のあいだを行き来しながら、彼女は脱出について語る ■後ろには、母親と離婚した父親と、その新しい結婚相手。前には、母親と、その年老いた父親。2台並んで走るクルマのあいだを行き来するのは、日本の大学に愛想を尽かし、外国に行こうとしている娘だ。最初に後ろのクルマ、途中で止まって前のクルマ、そしてまた後ろのクルマ。2台でまったく違う空気を感じながら、彼女が考えているのは「脱出」のことだ。自分が今の世界から脱出するためには、愛する母親よりも、まるでなじめないが、海外在住の父とそのパートナーの助けこそが必要なことを 彼女は冷静にかみしめている。【著者】片岡義男:1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
作品情報
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