国フェスの社会言語学――多言語公共空間の談話と相互作用 電子書籍版
2530円(税込)
作品内容
国名をテーマにしたフェスティバル「国フェス」。国際交流・理解を謳い、期間限定でそこに持ち込まれる多種多様なモノ・コト・価値の数々。それらの談話――言語・非言語を含む、有意味な記号活動のすべて――を、マルチモーダル談話分析、言語景観研究、地理記号論の三つの視点を基盤に複数の手法で精査し、複雑に展開される相互作用を紐解いていく。国フェス研究が、在日外国人コミュニティとホスト社会を架橋する可能性に向けて―――。【目次】序第1章 国フェスの社会言語学的研究――意義と方法1. はじめに2. 国フェス研究の意義3. 国フェスの社会言語学的研究の意義4. 研究の方法5.本書の事例研究の位置づけ第2章 調査の手順と国フェス事例の概要――開催の趣旨と経緯1. はじめに2. 調査の手順3. 国フェスの概要4. 国フェスの傾向と特徴5. 本章のまとめ第3章 国フェスのチラシのマルチモーダル談話分析――A4紙一枚に凝集される国フェス1. はじめに2. チラシの社会的機能と談話3. チラシの横断的なMDA4. チラシの多言語使用についてのMDA5. チラシに凝集される国フェスの談話6. 本章のまとめ第4章 国フェス会場に展開される国名・地名――想像の国家空間1. はじめに2. 国名3. 都市名4. 当該国の地名と日本の地名:ベトナムフェスティバルを事例に5. 本章のまとめ第5章 トークショーでの二言語使用――通訳が介在する相互作用1. はじめに2. 事例概要3. トークショーの相互作用分析4. 通訳が欠落する契機と共起すること5. 本章のまとめ第6章 参加型の言語関連活動――文化資本としての当該国言語1. はじめに2. 出店エリアの言語関連活動3. 参加型の言語関連活動の事例4. 文化資本としての当該国言語の可能性5. 本章のまとめ第7章 音楽ライブでの多言語使用――多言語シンガーと観客の相互作用1. はじめに2. 事例概要3. 楽曲間トークの談話分析4. 多言語シンガーの談話戦略と台湾原住民言語の位置づけ5. 本章のまとめ第8章 感染症対策を講じた国フェスから見えること――「新しい日常」における国際交流イベントの課題と展望1. はじめに2. コロナ禍のイベント開催方針と代々木公園の国フェス3. 「新しい日常」のベトナムフェスティバル 20204. 実地調査から見える人々の相互作用5. 本章のまとめ第9章 結論――多様性が価値づけられる多言語公共空間形成過程への示唆1. はじめに2. 各章の結果と考察3. 国フェスの談話:移住者コミュニティと多様性の価値づけの観点から4. 国フェス研究の課題と展望:方法論の観点からコラム「私が国フェスに惹きつけられる瞬間:インド人フォークアーティストの所作」「公式ホームページの多言語設定:複数言語による情報伝達と各言語の存在感」「少数民族語の存在:ミャンマー祭りに見るシャン語・シャン民族の顕在性」「総合司会者の役割:演目紹介、時間調整、会場案内、通訳、そして危機管理」「実行委員会における当該国出身者の活躍:異文化間コミュニケーターの視点」「ボランティアに期待される言語能力:当該国言語の使用域を広げる可能性」「ある老舗エスニックレストラン店主にとっての国フェス:距離感と解放感」「コロナ禍に思う、越境する音楽の力:韓国打楽器奏者、李昌燮さんの祈り」「コロナ禍のベトナムフェスティバル:つながりを絶やさない留学生達の輪」あとがき引用文献
作品情報
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