近世江戸の都市法とその構造 電子書籍版
7810円(税込)
作品内容
【内容紹介・目次・著者略歴】これまでの都市法研究は、「町触」を主に分析するものであり、そこには法と現実社会との乖離という大きな溝が存在した。本書は、近世江戸を考察の対象とし、「尋」や「答」、「申合」といった役人間で交わされる「行政法規」を同時に視野に入れることにより、都市法だけでなくその運用についても明らかにし、従来とは全く異なった重層的「都市法」像を描き出す。日本の近世法をめぐる数多くの研究はもとより、ヨーロッパの都市法研究に対しても重要な提言を試みる画期作。【目次より】序章 先行研究の整理と本書の課題第一篇 江戸における都市法の構造第一章 近世江戸の都市法とその運用・施行に関する一試論 『類集撰要』(旧幕府引継書)巻七・巻八を素材として第一節 法の発給主体と都市法の運用第二節 「尋」「回答」と法令の実態調査第三節 町年寄・与力の機能と都市法の運用第四節 町役人間の「申合」とその都市法上の機能補論一 年番名主の「申合」とその基本的性格について補論二 都市政策の展開と定式町触の内容の変遷 奉公人・人宿に関する「定式町触」を事例として第二章 都市法における「尋」と「答」の目的とその機能 江戸の「地面」と「人別」の問題を分析対象として第一節 「地面(土地)」問題をめぐる町触と「尋」・「答」第二節 「人別」問題をめぐる町触と「尋」・「答」第二篇 都市政策の展開と都市法の整備第三章 近世中後期・江戸の「町火消」制度の変遷とその特色 特に町役人宛ての法令類を通じて第一節 享保期より天明期までの町火消制度の変遷第二節 天明期より寛政期前半の「町火消」制度の変化と定火消の機能の浮上第三節 寛政期後半以降の町火消制度第四章 「紛失物吟味」制度の変遷に見る「都市法」の成立第一節 質屋等の組合の結成と紛失物の「訴方」手続きの成立第二節 組合人数の確定と紛失物の「訴方」手続きの修正第三節 「紛失物吟味」制度のその後の展開第三篇 天保改革期の都市法の特色第五章 天保改革期の江戸における都市法の内容構成とその特質第一節 天保改革期の江戸の法 「触」と「申渡」の存在第二節 天保改革期における江戸の町方での法令の類制化第三節 京都における江戸「町触」の具体的内容補論三 「御触被仰渡目録」(「布告留」一)の記述内容と江戸における都市法の諸類型第六章 天保改革期の江戸における都市法の構造とその運用第一節 天保改革期の江戸における都市法の構造第二節 天保改革期の江戸における都市法の運用の特色終章 近世中・後期の江戸における都市法の特質あとがき※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。坂本 忠久1959年生まれ。法制史学者。東北大学大学院法学研究科教授。早稲田大学法学部卒、金沢大学大学院修士課程修了、大阪大学大学院法学研究科博士課程単位取得退学。法学博士(東北大学)。専門は、日本近世の法制史。著書に、『天保改革の法と政策』『近世後期都市政策の研究』『近世都市社会の「訴訟」と行政』『近世江戸の都市法とその構造』『藩法史料叢書 1 佐野藩』(編)などがある。
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