死神のいる街角 電子書籍版
495円(税込)
作品内容
うそのバスに乗り込むと、別世界に連れ去られる…?ぼくは急いでいた。約束の時刻にすでに遅れていたのだ。タクシーが来たら乗るつもりだったが、タクシーも一台も通らない。苛々しながら、バスを待ちつづけた。三十分以上経って、ようやくバスの姿が見えた。ああ、やれやれ、ようやく来た、とぼくは思った。思った直後、ぼくは目を剥いていた。それはうそのバスだったのだ。〈うそのバス〉行先表示板にそう書いてあった。(「うそのバス」より)短篇の名手が趣向を凝らして描く、世にも不思議な世界。傑作短篇集。・葬式・元気でやってるかな・怪我・寝ぐせの男・うそのバス・車刑(くるまけい)・挽肉の味・やめられない楽しみ・鮫・獣がいる●中井紀夫(なかい・のりお)1952年生まれ。武蔵大学人文学部卒業。ハヤカワSFコンテストを経てデビューし、短篇「山の上の交響楽」で星雲賞を受賞。主な著書に、『能なしワニ』シリーズ、『タルカス伝』シリーズ(ともに早川書房)、『漂着神都市』、『海霊伝』(ともに徳間書店)など著書多数。
作品情報
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