水田稲作が日本を創った―米づくりから見る日本と東南・南アジアの文化 電子書籍版

  • 水田稲作が日本を創った―米づくりから見る日本と東南・南アジアの文化 電子書籍版
  • 1980円(税込)

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    作品内容

    田んぼから見える、日本社会の原風景四季のうつろいとともに水を湛える田んぼ―。 この美しい風景の裏に、二千年にわたる日本社会の成り立ちがある。 本書は、著者がタイにJICA専門家として滞在した経験をもとに、同じ稲作社会でありながら異なる発展を遂げた日本と東南・南アジアを比較し、「日本らしさ」の起源を探る試みである。●一期作の日本、二~三期作のアジア タイやスリランカでは、豊かな日射と水を生かして年に二度も三度も稲を収穫できる。 自然の恵みの中で人々は祈りとともに暮らし、仕事にも時間にもおおらかだ。 一方、日本は厳しい寒暖差のもと、年に一度しか稲を育てられない。そのため、限られた季節に労働を集中させ、互いに協力して用水を管理する必要があった。 この自然条件こそが、勤勉さ、正確さ、協調性といった日本社会の基盤を形づくったのである。●稲作が映す文化と信仰の違い 日本では「いただきます」「ごちそうさま」と命に感謝する所作が日常に根づき、神に供えた米を共に食べる行為が共同体の絆を深めてきた。 他方、東南・南アジアの仏教社会では、輪廻と喜捨の思想が生活を支え、僧侶は修行に没頭し労働をせず、施しによって生をつなぐ。 同じ仏教国でも、大乗仏教の日本と上座部仏教のアジアでは、自然や労働、信仰に対する姿勢がまったく異なる。 水田は単なる農地ではなく、人の暮らしと心を映す鏡である。 本書は、稲作の歴史を軸に、日本人の勤労観・信仰・社会秩序の深層を解き明かす。 田んぼという身近な風景から、私たち自身の社会と文化を見つめ直す一冊。【著者】齋藤 晴美(さいとう はるみ)1952(昭和27)年 兵庫県生まれ。1976(昭和51)年 京都大学農学部農業工学科卒業後、農林水産省に入省。農林水産省、外務省、岡山県に勤務。農村振興局次長を務め2011(平成23)年に退職。元(一財)日本水土総合研究所理事長。農学博士。監修に「アフリカ農業と地球環境」(家の光協会)。

作品情報

出版社
農文協プロダクション
提供開始日
2025/12/12
ジャンル
ビジネス・実用

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