新 都市動物たちの事件簿 電子書籍版
1980円(税込)
作品内容
都民もクマ鈴が必要になる日が来る!?一線を越えてしまった、外来ネズミと人間の関係港区育ちのカブト・クワガタ急増中!プロ・ナチュラリスト(プロの自然解説者)が語る、思わず人に教えたくなる“都会派動物たち”のエピソード。* * * 1995年8月1日、私は、『都市動物たちの事件簿』(NTT出版)を出させていただいた。 あれから三十年が経ち、東京を中心とした自然環境もかなり変わった。そして、新たな「都市動物の事件」もたくさん発生している。それで、続編になる『新 都市動物たちの事件簿』の執筆を決心した。 それにあたり、改めて最新の都市動物事情を、確認、観察、調査してみると、予想以上の大きな変化に、自分でも驚いてしまった。 1995年当時、東京では珍しかったクマゼミは、今では東京都心部のあちこちで鳴いているし、街の至る所で見られたアズマヒキガエルは、一部の地域では絶滅危惧種に指定されるほどまで減ってしまった。 私は、自然というものは、もともと少しずつ変化していくものだと思っている。 しかし、現在のそのスピードは速すぎる。三十年という歳月ではとても考えられないほど、都会の自然環境が変わってしまったのだ。 このことは、大きな問題である。できる限り、この変化のスピードを遅くする努力をしなくては、私たち人類の将来も暗い。 そして、そのためには、まず、今起きていることを皆が知ることが大切だと思うのだ。(本書「はじめに」より)* * *[目次]File.01 東京二十三区民がクマ鈴を持ち歩く日東京・町田市にクマが出没!/獣道にしかけた罠にかかったのは…/どちらかというと、菜食主義のクマ/人とクマの境界地「里山」の減少がもたらす影響/住宅地にクマが来る、もう一つの意外な理由File.02カブト・クワガタ特需の深いわけ大都会に増加するカブトムシ、クワガタムシ/「昆虫酒場繁盛店」の開店/自然界のつながりFile.03 「アーバンオウル」登場タヌキを探すつもりが…/〝都会派フクロウ〟が増えた四つの理由/都会に適応する生き物たちFile.04 ラスカルの次はバジャー子どもたちには秘密/「森の道化師」「同じ穴のムジナ」/人間を怖がらず、雑食なら大都会も合う/もう「タヌキ汁」にはならない「バジャー」たちFile.05 アーバンスカンク大進出カメムシはなぜ臭い?/激増のすべてに地球温暖化が関係/外来種なのか、在来種なのか?/二種類のカメムシの栄枯盛衰File.06 ヤマヒヨドリ出現鉄道ファンと思いきや…/鉄道線路に沿って海から山へ移動?/「イソ」ではなく「ヤマ」File.07 カエル合戦終戦〝アズマヒキガエル・ロス〟/日本固有種のいわゆる「ガマガエル」「イボガエル」/バトルロイヤル「カエル合戦」/二〇二三年のアライグマ大進出/悪いのは外来の生き物ではないFile.08 幸せ?の青いダンゴムシアルマジロのような小さな生き物/レアな真っ青な個体/すぐ近くにいるかもしれないFile.09 空を埋め尽くす絶滅危惧種空一面に広がる驚きの光景/なぜ絶滅危惧種が大群で現れたのか/北極圏の自然環境の影響File.10 謎の水獣マツドドンのその後白昼堂々と人々の目の前で泳ぎ回る水獣/一九七二年、千葉・松戸の未確認生物「マツドドン」/人間とマスクラットの〝一線を越えた関係〟File.11 セミ界のニュースタンダードほぼ一○○パーセントクマゼミ!?/「セミ時計」/「セミ王国」日本の移り変わりFile.12 あちこちで結成! 都会の「鳥」内会日本最小のタカの都会での子育て/人間の存在を利用することも…/ツミとオナガの互助関係File.13 「私有地」という名のサンクチュアリ秘かに横浜で生息する希少なトンボ/生き物の小さな楽園を作る「私有地」/点が線に、さらに面になるようにFile.14 カウントダウン、キョンの上京驚異的な繁殖力を持つシカ/台湾動物だらけの伊豆大島/千葉県でも爆発的に増えたキョン/そして、県境を越えていくキョンたち…File.15 「動物事件」の起こりやすい都市の自然観察ポイント ベストテン第十位 古いカレンダーの下/第九位 フジ棚/第八位 学校プール/第七位 樹名板の裏/第六位 人工砂浜/第五位 プランターの下/第四位 夜の自動販売機/第三位 ビオトープの池/第二位 運河に架かる橋/第一位 三角コーン
作品情報
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