自滅帳 電子書籍版

  • 自滅帳 電子書籍版
  • 2090円(税込)

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    作品内容

    人はなぜ自滅するのか。「死の欲動」が暗躍する闇世界に、なぜ引き摺り込まれ、沈みゆくのか──。精神科医・春日武彦が描く、「自滅」をテーマにした13篇の文学案内。海外編7作、日本編6作を取り上げ、破滅へ傾く人物たちの姿を描いていく。紹介作品は、パトリシア・ハイスミス、ジョン・チーヴァー、デルフィーヌ・ド・ヴィガのほか、吉行淳之介、林芙美子、松本清張らの短篇も含まれ、名作もあれば、忘れられた小品もある。これら作品の自滅者たちを紹介しつつ、著者自身の記憶や妄想が交錯する断章を織り交ぜて、読者をほの暗い精神の深淵に引きずり込む。好評既刊『自殺帳』の姉妹編とも言うべき内容。────────────────────────“わたしは今までの人生で、自滅していく人たちを案外沢山目にしてきたような気がする。彼らは自暴自棄に陥っていたり、ふて腐れた挙げ句のセルフネグレクト的な生き方であったり、チープな「滅びの美学」に酔っていたり、緩慢な(あるいは生煮えの)自殺であったり、罪悪感の清算であったり、傲慢であったがための必然的な報いであったり、怠惰と自己欺瞞の結果そのものであったり、世間知らずゆえの悪因悪果であったり等々、さまざまな経緯から自滅へと到達していた。ではそのときに彼らはどのような心持ちであったのだろうか。”(「はじめに」より)────────────────────────【目次】はじめに01 淫景 松本清張『断崖』02 満ち足りた生活 デルフィーヌ・ド・ヴィガン『子供が王様』03 いじましい人 吉行淳之介『痴』04 束の間の救い パトリシア・ハイスミス『手持ちの鳥』05 トランジスターグラマー 林芙美子『牛肉』06 死に際して思い返す景色 ウィリアム・トレヴァー『ピアノ調律師の妻たち』07 なめるなよ 笠原淳『サイモンの塔』08 異物 H・E・ベイツ『愛ならぬ愛』09 不死の人 丹羽文雄『虚実』10 はたらくこども アレクサンダー・マクラウド『ループ』11 隻脚の画家 有馬頼義『小隊長、前へ』12 蟹っぽい ジョン・チーヴァー『ライソン夫妻の秘密』付録 犀を贈る トム・フランクリン『ダイノソア』おわりに────────────────────────春日武彦(かすが・たけひこ)1951(昭和26)年、京都府生まれ。日本医科大学卒業。医学博士。産婦人科医を経て精神科医に。都立中部総合精神保健福祉センター、都立松沢病院精神科部長、都立墨東病院精神科部長などを経て現在は成仁病院名誉院長。甲殻類恐怖症。猫好き。著書に『臨床の詩学』『病んだ家族、散乱した室内』(医学書院)、『恐怖の正体 トラウマ・恐怖症からホラーまで』(中公新書)、『無意味なものと不気味なもの』(中公文庫)、『鬱屈精神科医、占いにすがる』『奇想版 精神医学事典』『屋根裏に誰かいるんですよ。 都市伝説の精神病理』(河出文庫)、『自殺帳』(晶文社)等多数。

作品情報

出版社
晶文社
提供開始日
2025/09/12
ジャンル
ビジネス・実用

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