褐色の血(上) 混濁の愛 電子書籍版
880円(税込)
作品内容
「褐色の世界にこそ私の求めているものがあるような気がします」1975年、二人の男がブラジルへ向かうため空港にいた。ひとりは仲間に見送られ、もうひとりは孤独に。児玉は、サンパウロでパウリスタ新聞の記者として働くことになっていた。ブラジル社会に呑み込まれつつも、日系人の変遷の取材にのめり込んでいく。人種の坩堝と言われるブラジルで、児玉は「ある答え」を、この国と日系人社会に求め始めていた。一方、サンパウロのホンダの関連会社で整備士として働く小宮は、ブラジルで日本では味わうことのなかった安心感をおぼえていた。現地で出会う人々に支えられながら、次第にブラジル社会へと馴染んでいく。国家、人種、民族、人は何を拠り所に生きるのか。差別に翻弄された人々の50年にわたる流浪を描いた長編小説三部作の序章。
作品情報
作者の関連作品作者の作品一覧