思い出されることを思い出されるままに:映画監督ラナ・ゴゴベリゼ自伝 電子書籍版

  • 思い出されることを思い出されるままに:映画監督ラナ・ゴゴベリゼ自伝 電子書籍版
  • 5742円(税込)

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    作品内容

    「女性と時代」を描いてきた映画作家の詩と真実90歳を超えてなお新作を発表し、ジョージアでもっとも重要な映画監督のひとりであり続けているラナ・ゴゴベリゼ──その彼女が自らの来し方を「思い出されるままに」綴った文学的メモワール。7歳のころ、ジョージア共産党の幹部だった父親が粛清され、母親は流刑に処せられたラナは、ひじょうに不安定な世界で幼少期を過ごした。独裁へと至った共産主義に父が深く関わっていたこと、母を失ったこと、これらはいまもなお彼女に影のようについて離れず、とりわけ後者は、映画作品の中で彼女が幾度となく立ち返るテーマとなっている。文学を愛した少女はいかにして母と同じ映画の道へと至り、そして、父と同じく人びとの未来を想い、国家の混乱期に政治家となることを選んだのか──波乱に満ちた日々のなかで、彼女はそれでもつねに気高く、己の精神に忠実であろうとし、また、その生にはいつも詩が寄り添ってきた。ヨーロッパとソ連/ロシアの狭間で翻弄されるジョージアの20世紀が、映画作家の個人史を通して、まさに「言葉に示されたこの世の像」(パステルナーク)として立ち現われる。母ヌツァが流刑先での経験を綴った短篇小説を併録。[目次]  ラナ・ゴゴベリゼの家系図  ジョージアとその周辺 日本語版への序文〈私は夜、追憶の微かな足音に 耳を澄ます道のよう……〉バルノヴィ通り二十六番、ボヴィザージュ夫人とエリュアールの詩「自由」子供の目から見たソ連の奇妙な暮らし§ 母の短篇「幸福の列車」伯父ラジデン──子供時代の崇拝と愛§ 母の短篇「三色スミレ」なぜか「バブ」(おじいちゃん)と呼ばれていた祖母エヴドキア§ 母の短篇「二度の変貌」より(一)運命に結びつけられた二つの家族§ 母の短篇「二度の変貌」より(二)恐怖政治への応答としての「ジョージア人の陽気さ」第二次世界大戦、エドガー・アラン・ポー、『ギオルギ・サアカゼ』、パアタの首戦時下のピオネール宮殿──ソ連の暮らしにおける一つの逆説私を監視していた秘密警察員詩作という伝染病§ 母の短篇「ペチョラ川のワルツ」初恋終戦、私の「恩赦」と特殊売店の白パン§ 母の短篇「アズヴァ・ヴォムからコチマスまでの徒行」母父私の大学、山の発見ウォルト・ホイットマン、あるいはシャルヴァ・ヌツビゼはソ連の検閲をいかに欺いたかラドモスクワ、全ソ映画大学、ゲラシモフらとの出会い(ブーロフ、ミコヤン、セルゴ・ロミナゼ)地下出版物──明かした夜、アンナ・アフマートワパステルナークスターリンの死私のモスクワの友人たち、母の三人の「囚人仲間」シャルマンセルゴ・ツラゼ──パリから来たジョージア人映画人生、検閲、禁止……、そして私の初期の作品六〇―七〇年代──ジョージア芸術の発展期、映画祭、ジョージア訪問を許されなかったフランシス・フォード・コッポラパリ、一九六九年、覚書再び映画人生、中央委員会第一書記との面会もイタリア、一九七四年、覚書(フェリーニ、アントニオーニ、ザヴァッティーニと)タゴールの故郷で、サタジット・レイとの面会セルゲイ・パラジャーノフ、ムタツミンダ地区の彼の驚くべき家を我々はいかに失ったか『インタビュアー』、サンレモ映画祭、ラドの死ジョージアは言語を守った新しく得た友人たちテンギズ・アブラゼの『懺悔』『昼は夜より長い』、一九八一年、覚書映画祭――ベルリン、カンヌ、東京、リオ・デ・ジャネイロ『ペチョラ川のワルツ』──過去との決別一九八九年四月九日〈死の道も薔薇色の道にほかならない……〉独立の夜明け、メラブ・ママルダシヴィリ、またもや敵探し一九九四年、覚書欧州評議会、すなわちヨーロッパでのジョージアの大いなる挑戦結び  訳者あとがき

作品情報

出版社
白水社
提供開始日
2025/07/18
ジャンル
ビジネス・実用

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