これからの時代を生き抜くための資本主義入門 電子書籍版
1760円(税込)
作品内容
あなたが“消費”されないために。なぜ、私たちは「成長の物語」に囚われるのか?「欲望」を切り口に現代社会を解剖し続ける映像プロデューサーによる、“経済学”の枠も飛び越えた異色の資本主義講義、開講!!【内容】本書は、NHKの『欲望の資本主義』シリーズのプロデューサーを務める丸山俊一氏とともに、この時代を生きる一人の個人として“資本主義”とどう向き合っていくかを思考していく一冊です。有名な経済学者たちが資本主義をどう捉えてきたのかを紹介するとともに、時に「経済」の枠も飛び越え、哲学、社会学、社会思想、心理学、精神分析……といった知の可能性にも触れながら、資本主義がもたらす現代社会の生きにくさについても考えていきます。消費者として、さらに労働者として、この変化し続ける資本主義のシステムとどのように付き合っていくべきか? 「経済」という分野にあまり馴染みがないという方にも伝わる、様々なヒントが収められています。【構成】 ◆はじめに 隠された「欲望の物語」が資本主義を動かす◆第1章 出口なき欲望の時代はいかにして生まれた?~ニッポンの戦後・三つのフェーズ~◎「やめられない、止まらない」が意味する表層と深層◎「夢」という物語が駆動する資本主義◎戦後日本経済と社会のあり方を三つの変化のフェーズで捉えてみると……◎時代の「欲望の物語」と向き合うということ◆第2章「富を生むルール」は書き換えられていく~利子の誕生、重商主義、産業革命へと続く欲望の経済史~◎時が富を生む魔術の時代――「利子」の誕生と絶えざる成長の芽生え◎「時」から「空間」へ、富を生むルールが変わる時◎重商主義の時代に異を唱えたアダム・スミスの「見えざる手」の心は?◎そして産業革命以後は技術が社会の形を決める――マルクスの「闇の力」とは?◆第3章「形なき資本」が市場を駆けめぐる時~現代のデジタル経済の光と影~◎プラットフォーマーがもたらす「余剰」と「支配」の狭間で◎労働からの解放か? 際限なき「創造性」の搾取か?◎交換価値ばかりが駆けめぐる世界の到来?◎貨幣をめぐる人間の尊厳の問題とは?――複眼的に社会・経済を見つめる時◎〈ハイエク=「新自由主義の教祖」〉という歴史の皮肉◆第4章 大衆化が欲望を羨望に変えていく~アメリカの時代、消費文化が社会を変質させた20世紀~◎大衆消費社会の「渇望」「羨望」の正体とは?◎ 20世紀後半、アメリカの変化をあるフレームから捉えると見えてくる構図◎モノからコト、コトからトキ、そしてイミへ――記号の消費が全面化する時代へ◆第5章 創造力が商品になる時代の「働き方」~虚実を超える価値創造とは?~◎アテンション・エコノミー、監視資本主義、感情労働への対応は?◎ポスト産業資本主義が顕わにする“心が揺れる”資本主義の本質◎「近代経済学」を脱構築する認識の冒険◎経済は時代の物語である 想像力のフィールドが商品化の戦場となる時◆おわりに あえて逆説を楽しむ思考への誘い【著者プロフィール】丸山俊一(まるやま・しゅんいち)NHK エンタープライズ エグゼクティブ・プロデューサー/立教大学大学院特任教授/東京藝術大学客員教授。慶應義塾大学経済学部卒業後、NHK 入局、教養番組部ディレクター、チーフ・プロデューサー、編成局エグゼクティブ・プロデューサーなどを経て現職。「欲望の資本主義」「欲望の経済史」「欲望の時代の哲学」「世界サブカルチャー史 欲望の系譜」など、「欲望」をキーワードに現代社会を読み解くドキュメントを企画開発。「ソクラテスの人事」「仕事ハッケン伝」「英語でしゃべらナイト」「爆笑問題のニッポンの教養」「人間ってナンだ?超AI 入門」「地球タクシー」「ネコメンタリー猫も、杓子も。」「新感覚教養トーク・プラッと」なども制作統括。ビジネスパーソンのためのリベラルアーツプログラム「LIBERARY」の映像制作にも携わる。著書に『ハザマの思考』(講談社)、『14歳からの資本主義』『14歳からの個人主義』(大和書房)、『働く悩みは「経済学」で答えが見つかる』(SB新書)、制作班との共著に『欲望の資本主義1~5』『脱成長と欲望の資本主義』『岩井克人「欲望の貨幣論」を語る』(東洋経済新報社)、『マルクス・ガブリエル 欲望の時代を哲学する』『マルクス・ガブリエル 日本社会への問い』『AI 以後』(NHK出版新書)他多数。
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