日本庭園のひみつ 見かた・楽しみかたがわかる本 鑑賞のコツ超入門 新版 電子書籍版
1991円(税込)
作品内容
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。★ 鑑賞にやくだつ「全国日本庭園MAP」つき★ 浄土式、枯山水、書院造…時代で変わる鑑賞のコツ★ 野原の小川を示す「遣水」、 あの世を託した「中島」、 結界の役割を持つ「橋」… 構成要素の鑑賞のコツ★ 庭園の歴史と変遷、構成要素に託された意図を 写真と平易な解説で。 奥深い庭園の世界にご案内します。◇◆◇ 著者からのコメント ◇◆◇「庭」とは、古くは祭祀や儀式を行うための神聖な場所をさしたといわれます。日本の政治はおもに天皇を中心とする朝廷によって行われてきましたが、まさに朝廷の「廷」は庭に由来するのです。早朝、白砂を敷いて浄化された庭に皇族が集まり、儀式を行ったことがその語源とされます。いっぽう日本各地で発掘される「環状遺跡」と呼ばれる巨石を円状に並べた古代の遺構がありますが、これらは古来、神が宿ると信じられてきた巨石(磐座)を中心に古代人が祭祀を行った場所で「にわ」と呼ばれていました。京都のルーツ・平安京が開かれると、皇居である大内裏に接して日本最古の寝殿造り系庭園である神泉苑が作られますが、この庭も儀式のための神聖な場所でした。というのも泉があり、古来泉はあの世とこの世の出入口と認識され、魑魅魍魎(ちみもうりょう)が吹き出してこの世に天変地異や疫病をもたらすと信じられたからに他なりません。そこで天皇は、雨ごいなどの儀式をこの庭で行わせました。つまり、民衆に害を与える魑魅魍魎をコントロールする力こそ「王権」であり、それができるからこそ天皇として君臨できるといった寸法だったようです。このように見てくると、庭とはただ単に自然を楽しみ癒される対象というよりも、むしろ日本人の精神の発祥に関わる神聖な存在であることが垣間見えるのです。本書は、従来の庭園のガイドブックに数多く見られるような、その造形的魅力の解説に加え、さらにこうした庭園の本質的な意味について、平易な文章でまとめたものです。これまでの庭園の解釈に加え、新たな視点をもって庭に対峙した時、そこにさらなる魅力を感じていただければ、本書のもくろみははたされたことになります。◇◆◇ 主な目次 ◇◆◇☆ 第一章時代ごとに見る日本庭園鑑賞のポイント【時代ごとに見る庭園形式】<平安から鎌倉時代>* 浄土式庭園の特徴を見る* 寝殿造り系庭園の特徴を見る* 枯山水庭園の特徴を見る<鎌倉時代から室町時代>* 書院造り系庭園の特徴を見る・・・など☆ 第二章構成要素から見る日本庭園鑑賞のポイント【庭園を構成する要素を見る】* 自然風景式庭園* 水* 石【茶室の露地を見る】* 茶室の露地・・・など☆ 第三章庭園鑑賞の基本をおさえる* 庭園の発祥に深く関わる「他界」・「滅び」* 日本庭園の成立に欠かせない達人たち* 日本庭園のルーツは文学でもある・・・など※本書は2020年発行の『日本庭園のひみつ 見かた・楽しみかたがわかる本 鑑賞のコツ超入門』を新版として発行するにあたり、内容の確認と必要な箇所の修正を行ったものです。
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