セザンヌと『知られざる傑作』 電子書籍版
3080円(税込)
作品内容
バルザック『知られざる傑作』の、究極の美を求めた果てに破滅する主人公フレノフェールこそ「私だ」とセザンヌは自分を指さした。画家をめざす友を信じて励まし続けてきたゾラ。だが彼の小説『制作』はセザンヌの探求する〈美〉を理解しえないことを晒し、二人は決別する。二つの小説を手がかりに、近代美術誕生期の芸術観と、その渦中で生きた者たちの友情の機微に深く分け入る。[目次]第一章 画家たちにとっての『知られざる傑作』 9バルザックの『知られざる傑作』 9『知られざる傑作』の永遠性 10ピカソとヴォラールと『知られざる傑作』 12ヴォラールとセザンヌ 18『知られざる傑作』とセザンヌ 32第二章 『知られざる傑作』という小説 42『知られざる傑作』という小説 42セザンヌの絵画芸術観と『知られざる傑作』の絵画芸術観 51ドラクロワのロマン主義絵画芸術論 61第三章 様々な自然主義 68不可解なセザンヌ 68セザンヌの出発 71セザンヌの上京と絵画修業 73ゾラと印象派 83仕上げの問題 88マネの絵画技法 90第四章 セザンヌとゾラの人生の門出 108セザンヌとゾラの絵画観 108セザンヌとゾラの友情 120第五章 ゾラの誕生とアカデミー絵画 142ジャーナリスト・ゾラの誕生 142アカデミー絵画と反アカデミー絵画 153フランス絵画アカデミー 156セザンヌとゾラとサロン 159第六章 近代絵画と二つの自然主義 174 ゾラの自然主義と印象派の自然主義 174自然主義絵画 182セザンヌとゾラとの決別 191第七章 ゾラ=セザンヌの反印象主義とセザンヌの絵画哲学 213『制作』のセザンヌ 213セザンヌとゾラの印象主義批判 220セザンヌの反印象主義 221セザンヌの制作 229セザンヌにおける「自然」 244第八章 真実の絵画 254同時代画家への評価 254セザンヌの「進歩」 260セザンヌと『知られざる傑作』 266バルザックの文学哲学思想と『知られざる傑作』 270ゴーティエの芸術論 271あとがき 289主要人名索引 295
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