生きとってもしゃーないと、つぶやく96歳のばあちゃんを大笑いさせたお医者さん 電子書籍版
この作品は完結しています。(全1巻)
1760円(税込)
作品内容
「船戸は一人ひとりの診療に時間をかけ、コミュニケーションをとっていた。まるでご近所の井戸端会議のように、診療室ではしょっちゅう笑い声があがっていた。船戸が冗談を連発し、患者を爆笑させていたのだ。また、患者の話で船戸が笑い転げていた。こういう医療もあるんだな、大橋は新鮮な驚きを覚えた」。本書は岐阜のあるクリニックの取材した医療ドキュメントだ。医療とは何か? けが・病気を治し、患者を救うことである。当たり前のことだが、医療には様々な形がある。ブラックジャックのように、鮮やかなメスさばきで患者を救う医療、赤ひげのように心を癒すことによって患者を救う医療。正しい形は無数にあるのが医療である。本書に登場する船戸崇史は元々外科医から、在宅・地域医療の世界に身を投じた医師である。ベストセラー「がんが消えていく生き方~外科医ががん発症から13年たって初めて書ける克服法」の著者としても知られている。その方針は「サポーターとしての医療」。あるときは、末期がん患者のお花見に寄り添い、あるときは、患者以上に疲弊し不安をかかえている介護家族の相談に、診察以上に時間をかける。現代医療は技術・検査法などが進化した半面、「医者がモニターしかみない」「体中管だらけになって死を迎える」などの進化したゆえの矛盾も指摘されている。もちろん、そこに正解はない。しかし、さらに高齢化が進んでいく日本において、船戸医師が理想とする「心を救う医療」はますます重要性を増すのではないか。自分の体が動かなくなったら、がんにかかってしまったらどんな医療を受けてみたいか、そんなことを考えさせてくれる1冊。
作品情報
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