近代啓蒙批判とナチズムの病理 カール・シュミットにおける法・国家・ユダヤ人 電子書籍版
7700円(税込)
作品内容
【内容紹介・目次・著者略歴】20世紀を体現した思想家カール・シュミットの近代批判・近代啓蒙批判を、シュミットが影響を受けた、あるいは論敵であった思想家、とりわけマックス・ヴェーバーの学問論や法・政治論との比較を通じて、またナチスの反ユダヤ主義や安楽死計画との関連を通じて浮き彫りにし、近代啓蒙批判とナチズムの病理・野蛮性との思想史的連関性を詳細に描き出す。ナチズムに代表される近代の生態を、未公刊の資料を駆使し複眼的な視角から解明、更に後世への歴史的教訓を引き出した画期的作品。【目次より】序 近代の病理とシュミット第一章 シュミットの思想の基盤 法学と文芸の接点から一 シュミットの家庭環境と修学時代二 風刺書『影絵』(一九一三年)について三 風刺文「ブリブンケン」(一九一八年)の内容とその意義第二章 ヴェーバーとシュミット 学問論の相克一 シュミットのヴェーバーに対する知的接触二 「職業としての学問」(一九一七年)の成立事情三 「職業としての学問」の論点四 「職業としての学問」とシュミットの学問論五 初期シュミット(一九一〇~一八年)の思想の核六 「職業としての学問」の五つの論点とシュミットの「ブリブンケン」『政治的ロマン主義』第三章 ヴェーバーとシュミット 政治論の相克一 シュミットの『政治的なものの概念』とヴェーバー二 シ ュミット『政治的なものの概念』の四つの論点とヴェーバー三 シュミットの議会主義・民主主義観とヴェーバー第四章 ナチス安楽死計画とシュミット 法史的社会史的視角から一 生命の価値とシュミットの「価値の専制」(一九五九年)二 ナチス安楽死計画(一九三九~四五年)の事実の概要三 ナチス安楽死計画の前史四 「安楽死」の法制化をめぐって 司法省と総統官房第五章 反ユダヤ主義とシュミット 法・国家・ユダヤ人一 研究史的前提二 シュミットの反ユダヤ主義的発言三 シュミットの反ユダヤ主義的思考の要因結び 近代啓蒙批判とその教訓注あとがき初出論文一覧※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。佐野 誠1954年生まれ。奈良教育大学名誉教授。中央大学法学部卒業。京都大学大学院博士課程単位取得退学。博士(法学)。専門は、基礎法学 西洋法制史。著書に『ヴェーバーとナチズムの間』『ヴェーバーとリベラリズム』『新版「生きるに値しない命」とは誰のことか』(編著)『ヴェーバーとリベラリズム』などがある。
作品情報
作者の関連作品作者の作品一覧