コロナ・アンビバレンスの憂鬱 電子書籍版
1870円(税込)
作品内容
コロナ禍という人類史上希な病理下において、人々の精神を支えるものはなにか?人と人とが会うことが制限される状況下で、我々はどう振る舞うべきなのか?ひきこもり問題、オープンダイアローグの第一人者が綴る、コロナ禍を生き延びるためのサバイバル指南書。感染症をキリスト教の〈原罪〉になぞらえて自粛風潮の危うさを訴えた「コロナ・ピューリタニズムの懸念」、災厄の記憶が失われていくメカニズムをトラウマ理論に結びつけて分析した「失われた『環状島』」、対面の場から生まれる根源的な暴力性を問う「人は人と出会うべきなのか」など、ネット上で大反響だったコロナ関連の論考を集大成。コロナ禍という未知の時代を生きていかなければならない我々のヒントとなる、貴重な論考集。私は、コロナ禍がそれほど社会や人間を変えるとは思っていない。(…)おそらくコロナ禍が過ぎてしまえば、社会が驚くほど変わっていないことに人々は気付かされるだろう。(…)私が注意を向けているのは、ふだん「日常という幻想」が覆い隠しているさまざまな過程や構造が可視化される場面だ。「親密さとは何か」「不潔とはどういうことか」「人の時間意識を構成しているものは何か」「社会はどのように災厄を記憶するのか」そして「対面(臨場性)はなぜ求められるのか」。いずれもコロナ禍でなければ問われることのなかった問いばかりだ。(「あとがき」より)【目次】はじめに1.“感染”した時間コロナ・ピューリタニズムの懸念失われた「環状島」“感染”した時間人は人と出会うべきなのか会うこと、集うことの憂欝と悦び2.コロナ・クロニクル「医療」に何が起こったか第3波の襲来とワクチンへの期待コロナ・アンビバレンスとメディアコロナ禍のメンタルヘルスリモート診療の実態とリモート対話実践プログラム(RDP)リモート教育は「暴力」からの解放であるコロナ禍で試される民主主義3.健やかにひきこもるために健やかにひきこもるためにリアリティショーは「現代の剣闘士試合」か「マイルドな優生思想」が蔓延る日本に「安楽死」は100年早い「鬼滅の刃」の謎─あるいは超越論的炭治郎「意思疎通できない殺人鬼」はどこにいるのか?亡き王女(猫)のための当事者研究あとがきカバー画像:《同じ月を見た日》コロナ禍に孤立感を抱えている、ひきこもりを含む様々な事情を持った国内外の人々が参加するアートプロジェクト。各々の場所から月の撮影を行い、ここに居ない誰かを想像する。企画:渡辺 篤撮影:「アイムヒア プロジェクト」メンバー約50名画像配置協力:紅、田中志遠
作品情報
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