実像 広島の「ばっちゃん」中本忠子の真実 電子書籍版
1870円(税込)
作品内容
聖人(マザーテレサ)にされた母は、「人間」でいたかった。 圧倒的な善行を施す一人の女性。だが、その原点は一切謎に包まれていた。 秘してきた情と業に迫り、偶像を求め、作り、弄ぶ時代を撃つ。●「ただいま」「おかえり」を知らずに育った子●小学生で覚せい剤を親からうたれた子●モヤシを盗んで飢えをしのいだ子 etc.彼らを救ったマザーテレサと呼ばれる人がいる。本名よりも「ばっちゃん」の通称で知られる女性、中本忠子。彼女は広島市にあるアパートを拠点に約四〇年にわたり、非行少年をはじめ、生きづらさを抱える人たちに無償で手料理を提供し、生活の立て直しを支援し続けてきた。その圧倒的な善行はメディアに取り上げられ、意に反して急速に聖人化される。ところが、肝心の活動の動機は一切謎のままだった。本人、親族、そして「家」に集う人々へ取材を重ね、秘してきた情と業に初めて迫る。それは、偶像を求め、作り、持ち上げては貶める時代の闇を払うことでもあった!称賛か嘲笑か。二極化する時代、偶像化された者は、その虚像に囚われ続けなければならないのか!?渾身のルポルタージュ!【目次】序 章 「ばっちゃん」と「中本忠子」――二十五秒のスピーチを聞いて第一章 基町の家――卵焼きを囲んで第二章 孤独と空腹――立ち直りのために「立て直す」第三章 「木に登ったが下りられず」――ドーナツの穴を埋め続けて第四章 平和都市ヒロシマの足下――人々は見捨てられてきた第五章 母の背中――息子も里親になった第六章 ルーツ――お嬢様から母に第七章 遠いところで――祈りは皿に込められた終 章 家族――よその子であれ、わが子であれ あとがき 主要参考文献
作品情報
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