有栖川有栖の密室大図鑑 電子書籍版
753円(税込)
作品内容
本格ミステリの魅力的な要素のひとつ、密室トリック。犯行状況を思い浮かべたり、作品に挿入されている図版に心躍らせたりする読者の方も多いはず。本書は、1892年~1998年に発表された国内外の名短編、名長編、中でも魅惑的な密室が登場する作品を有栖川有栖がセレクトし、磯田和一の詳細なイラストとともに贈るブックガイドである。発表順に“世界最初の長編密室ミステリ”といわれるイズレイル・ザングウィル『ビッグ・ボウの殺人』をはじめとした海外20作、横溝正史『本陣殺人事件』など国内20作、さらに有栖川作品から磯田がセレクトした『スウェーデン館の謎』を加えた全41作を紹介する。密室ファン必携の書。/【目次】/はじめに/新潮文庫版まえがき/〈海外ミステリ〉/ビッグ・ボウの殺人(一八九二)〈密室トリック〉を発案したのは誰か? イズレイル・ザングウィル/十三号独房の問題(一九〇五)「思考機械」の監獄からの脱出 ジャック・フットレル/黄色い部屋の謎(一九〇八)世界で最も有名な殺人現場 ガストン・ルルー/急行列車内の謎(一九二〇)走行中の列車から犯人はどのように消えたのか? F・W・クロフツ/八点鐘(一九二三)名探偵として活躍する「怪盗」ルパン モーリス・ルブラン/犬のお告げ(一九二六)鮮烈なまでの視覚イメージと見事な聴覚イメージ G・K・チェスタトン/密室の行者(一九三一)断食の果ての飢餓殺人 ロナルド・A・ノックス/エンジェル家の殺人(一九三二)優れたプロットが生む異様な舞台装置と密室トリック ロジャー・スカーレット/三つの棺(一九三五)あまりにも有名な〈密室の講義〉 ジョン・ディクスン・カー/帽子から飛び出した死(一九三八)ミスディレクションとしての密室トリック クレイトン・ロースン/チベットから来た男(一九三八)横溢する東洋趣味のペダンチズム クライド・B・クレイスン/妖魔の森の家(一九四七)〈密室の巨匠〉の短編最高傑作 カーター・ディクスン/北イタリア物語(一九四八)残酷な異世界のおとぎ話 トマス・フラナガン/51番目の密室(一九五一)〈豪快系ベスト5〉の大掛りなトリック ロバート・アーサー/帝王死す(一九五二)パズル派クイーンの密室殺人 エラリー・クイーン/はだかの太陽(一九五七)SFと本格ミステリの面白さを合体 アイザック・アシモフ/ジェミニー・クリケット事件(一九六八)スリルあふれる謎解きのやりとり クリスチアナ・ブランド/そして死の鐘が鳴る(一九七三)伝説となった破天荒で豪快な密室トリック キャサリン・エアード/投票ブースの謎(一九七七)異常な状況下で起きた事件の意外な結末 エドワード・D・ホック/見えないグリーン(一九七七)冴えたトリックと様々な謎が楽しい本格ミステリの宝石 ジョン・スラデック/〈国内ミステリ〉/D坂の殺人事件(一九二五)〈お茶漬け風密室〉の名作 江戸川乱歩/蜘蛛(一九三〇)〈本格〉命名者の建物殺人 甲賀三郎/完全犯罪(一九三三)エキゾチズムあふれる異界の犯罪 小栗虫太郎/燈台鬼(一九三五)とびきり魅力的な舞台で起きた惨劇 大阪圭吉/本陣殺人事件(一九四六)国産の純粋本格ミステリへの転向第一作 横溝正史/刺青殺人事件(一九四八)最も日本的な本格ミステリ作家の第一作 高木彬光/高天原の犯罪(一九四八)ストイックに過剰なまでに短い傑作 天城一/赤罠(一九五二)明治維新期を舞台にした洒落た構成 坂口安吾/赤い密室(一九五四)冴え渡った頭脳が創案する究極の奇想 鮎川哲也/名探偵が多すぎる(一九七二)細部にまで遊戯精神に満ちたマニアへの贈り物 西村京太郎/花の棺(一九七五)紙と木でできた“堅牢”な密室 山村美紗/ホロボの神(一九七七)トロピカルムードに隠された逆転の発想 泡坂妻夫/求婚の密室(一九七八)騎士物語をミステリにアレンジ 笹沢左保/天外消失事件(一九八八)リフトが列車プラス飛行機の不可能興味を演出 折原一/人形はテントで推理する(一九九〇)〈柔らかい密室〉の柔らかさ 我孫子武丸/緑の扉は危険(一九九二)説得力と奇天烈さが同居する結末 法月綸太郎/哲学者の密室(一九九二)二つの三重密室が時を超えて結びつく 笠井潔/ローウェル城の密室(一九九五)実行不能性において他を圧倒する破天荒なトリック 小森健太朗/すべてがFになる(一九九六)トリックの破壊力はシリーズ・ナンバーワン 森博嗣/人狼城の恐怖(一九九八)四千枚を超える世界最長の本格ミステリ巨編 二階堂黎人/〈文庫版特別編〉/スウェーデン館の謎(一九九五)オープンエアの白い密室 有栖川有栖/あとがきに代えて…… 磯田和一/参考文献/創元推理文庫のためのはしがき/創元推理文庫版解説 松浦正人
作品情報
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