いつか森の中で 電子書籍版
440円(税込)
作品内容
北部イラクのシャニダール洞窟で発掘された三万五千年前の遺跡。そのネアンデルタール人の遺骨には、数種類の化石化した花粉が付着していた。彼らが死者に花を手向け、埋葬していた証。同じ遺跡からは明らかに障害者とわかる遺骨も発見され、彼らが仲間内の弱者を扶養していたことも推測された。絶滅したネアンデルタール人は現代人より骨太で、眼窩が高く脳容積が大きかった。だが彼らがスーツを着て地下鉄に乗っていたら、東京でもNYでも誰も気づかないだろうと言われている。そんな彼らを絶滅に追い込んでしまった我々の祖先、クロマニヨン人。まだ言葉さえ定かでなかったその時代にも、種族を超えた人としての純愛の花があった。
作品情報
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