薔薇の庭 電子書籍版
286円(税込)
作品内容
六年ぶりに帰ってきた軽井沢の別荘。養父母に育てられた基紀を迎えたのは、義兄・李一と、その妻・里砂だった。庭に咲く薔薇──ロサ・ダマスケナは、幼い基紀に初めて「自分を見てくれる人」李一の記憶そのものだった。「ここの庭、おまえにまかせたいんだよ」庭を弄るうち、基紀の胸の奥に封じ込めてきた想いもまた、棘を伸ばしていく。夜ごと義兄夫婦の寝室を盗み聞き、自らを傷つけることでしか鎮められなかった禁じられた欲望……李一が留守のある夜、里砂は自らの過去を告白する。「一度でもいいから、欲しがられたい」傷を抱えた女と、傷を刻み続けてきた男。互いの孤独に触れた瞬間、薔薇の棘は、これまでとは違う意味を持ちはじめ、誰にも言えない夜の中で、互いの傷を確かめるように身を寄せていく──欲望なのか、救済なのか。義兄姉との間に生まれてしまったあまりにも危うい絆を描いた、『艶想』第3號掲載、激情の短編!!【著者略歴】うかみ綾乃(うかみあやの) ─ 奈良県生まれ。2011年『窓ごしの欲情』で日本官能文庫大賞新人賞を受賞。2012年『蝮の舌』で第二回団鬼六賞大賞受賞。2016年『姉の愉悦』(『溺愛』と改題)映画化。小説家、コラムニスト、ミュージシャンの顔も持つ。近著に『永遠に、私を閉じこめて』(講談社文庫)、『蜜味の指』(幻冬舎アウトロー文庫)。
作品情報
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