プラントハンターの野帳~台湾・植物見聞録~3巻 電子書籍版
836円(税込)
作品内容
「いつかこの手で、この台湾で、新種を見つけるんだ!」台湾人と日本人――植物研究者たちの情熱溢れる人間ドラマ1925年、台湾統治三十年記念博覧会――植物園には希少な植物や研究標本が展示され、採集人や研究者たちの日頃の豊かな成果がそこかしこに満ち溢れていた。大葉マホガニーの種子が風に舞い、竜胆は小さくもその強靭さを示し、白芨は傷の治癒を促す……一つ一つの植物が、それぞれに秘められた意味を宿しているかのようだ。薬草堂の若旦那である涼山は、腊葉館での仕事にますます習熟していく。生活がようやく軌道に乗り始めた矢先、父親との衝突は一層激しさを増し、亡き妹への癒えぬ悲しみは、未だ心の内で固く結ばれたままだった。霧草は、見捨てられることへの恐怖という悪夢に苛まれながらも、故郷への強い想いを胸に、それを前へ進む力へと変えていく。理想を追い求め、全力を尽くしていた松尾は突然倒れてしまう……賑やかな蝉の声が降り注ぐ夏のなか、誰もが胸に様々な想いを抱え、それぞれのドラマが静かに進行していく……
作品情報
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