筏までの距離 電子書籍版
2200円(税込)
作品内容
小原晩、カツセマサヒコ推薦!!恋ではない。友情ではない。ふたりの関係の、呼び方を教えて。学生の頃、彼女とはよく大学の付属植物園で過ごした。花の名前もよく知らないのに。ある日彼女は、園内の礼拝堂の前で突然、耳鳴りがすると言った。昨日、眠れなくて、宇宙の動画を見ていた時からずっと耳鳴りがする。宇宙で鳴っている音を想像してからずっと、と――「植物園にて」新幹線で出会った女性と偶然にも温泉街で再会した私は、彼女に導かれて、古びたリゾートマンションの屋上から花火を眺めていた。30分足らずで終わった花火の後、彼女は先に部屋に行っていると言い残して、屋上から去ったが――「筏までの距離」デビュー作で芥川賞候補に挙がった著者が贈る、書き下ろし2篇を含む、わたしとあなたの8つの物語。【著者略歴】水原 涼(みずはら・りょう)1989年兵庫県生まれ、鳥取県育ち。北海道大学文学部卒業。早稲田大学大学院文学研究科修士課程修了。2011年に「甘露」で第112回文學界新人賞を受賞しデビュー。同作が第145回芥川龍之介賞候補作になる。著書に『蹴爪(ボラン)』、『震える虹彩』(安田和弘との共著)がある。
作品情報
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