おおあんごう 電子書籍版
660円(税込)
作品内容
「僕のつま先を車で轢くという遊びをしていた父をモデルに書きました」 大好きな母、ふんわりしたおばあちゃん、無二の親友――。守りたかった。離れないでいてほしかった。これは、傷を抱えたぼくが「笑い」に出会い「夢」へと走り出す物語。岡山県の小さな田舎街。小学生のぼくは、理不尽で自分勝手な父に振り回されてばかりだった。自分の心と大好きな母を守るため、勇気を出し父にある言葉をぶつける。純粋な願いを聞いた父は改心すると思っていたが……。苦しくて悔しいのにどこか笑える家族の日常を描いた、「かが屋」加賀翔の初小説! 「なぜか、涼やかな風が吹きとおった。うつむくと胸もとに、ビール缶みたいな穴がまんまるく空いていた」 いしいしんじ 「私もこの絶望を知っている。悔しくて恥ずかしくて、それでもまた期待してしまう。そして当然に裏切られる。少年には憐れみも情けもいらなかった、笑いとなることだけが救いになった。自然をかき分けて歩き続けた日々を、カエルのぬいぐるみと一緒に抱きしめたい」 吉澤嘉代子 「理不尽な父の言動に早く大人になるしかなかった少年が、生きる。苦しくて、優しくて、悲しくて、笑えて。岡山の鮮烈な言葉がざくざく刺さる、とてつもない小説です!」 東 直子 「読みだした時は、相方だからか照れ臭かったのですが、気付いたらいつの間にか、悲しくなったり、思わず吹き出したり、ムカついたり。皆、幸せになって欲しいです」 「かが屋」賀屋壮也
作品情報
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