さよならバグ・チルドレン 電子書籍版
1100円(税込)
作品内容
◆第一歌集風に夜に都市に光に怯えてる僕の背中を登りゆく蟻「風」「夜」「都市」「光」、つまり「僕」は自然と人工からなる世界の全てに「怯えてる」ことになる。だが、その「背中」の絶壁を登りゆく小さな「蟻」は、怖れという機能をもたない勇気の塊なのだ。(帯より:穂村弘)◆自選十首よりうろこ雲いろづくまでを見届けて私服の君を改札で待つ麦揺れて風はからだをもたざれど鳥類であることをみとめる掌のうへに熟れざる林檎投げ上げてまた掌にもどす木漏れ日のなか放課後の窓の茜の中にゐてとろいめらいとまどろむきみはりすんみい 齧りついたきりそのままの青林檎まだきらきらの歯型さみしいときみは言はない誰のことも揺れるあざみとしか見てゐない鉄道で自殺するにも改札を通る切符の代金は要るたぶん親の収入超せない僕たちがペットボトルを補充してゆく放たれし鳥たちよわが手を離れ一点のあるがごとき静夜へ送電線の向うの雲がちぎれたら適度な距離ではじめよう、また
作品情報
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