泡の子 電子書籍版
1760円(税込)
作品内容
【21世紀生まれ初受賞/第48回すばる文学賞受賞作】危険な小説だった。それでも、ここにある描写が好きだ。――田中慎弥氏(選評より)新宿駅東口。退廃的で無秩序。私はこの現実で、彼女のために何ができる――?『王』と自称する男が捕まった時、七瀬は「あ」と言った。私は、その幽かな叫び声を隣で聞いた。ここはつまらない奴らばっかりがいる場所だけど、七瀬だけは違う。だから、彼女の隣にいても息苦しさは感じなかった。薬で強制的に引きずり込まれた夢の中でも、七瀬は現れる。もしかしたら私は、彼女とこの場所に、まだしがみついているのかもしれない。これは、2007年生まれの若き著者が贈る、終わってる世界で生きている「私たち」の物語。【著者略歴】樋口六華(ひぐち・りっか)2007年生まれ。茨城県在住。2024年「泡の子」で第48回すばる文学賞を受賞しデビュー。
作品情報
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