軍艦島 離島40年 人びとの記憶とこれから 電子書籍版
1980円(税込)
作品内容
※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできません。島の暮らしの記録と世界遺産への奮闘2015年、「明治日本の産業革命遺産」のひとつとして世界遺産に登録見込み。軍艦島が「端島」と呼ばれていた頃の、人びとの暮らしと世界遺産への道のり。2009年の上陸解禁以来、限られたところしか歩けないとはいえ50万人が訪れた軍艦島。その多くは「廃墟の島」という認識で観光上陸するのだが、果たしてそれでいいのだろうか。日本の歴史の中で「端島」が「軍艦島」になった経緯にきちんと目を向けなくては、世界遺産といえども物見遊山に過ぎない。本書は、元島民にして、軍艦島クルーズのガイドでもある著者の記憶と保存活動の記録である。閉山から25年後に「故郷」を訪れた著者は、ここを保存しなくてはならないと決意する。そのために仕事を辞め、NPO法人「軍艦島を世界遺産にする会」を設立し、さらには同様の地域の伝承を大切にする人たちとのネットワークの結果、2015年世界遺産登録見込みを獲得する。端島は写真で語られることが多かったが、本書は著者の実体験にもとづく、生の記録である。閉山後に島から離れた人たちが端島・軍艦島をどう見ていたかという貴重な視座も提供する。そして、「世界遺産」をめぐって、端島の歴史のように翻弄される姿を浮き彫りにする。第一章から第三章は、主として昭和40年代の島の生活の様子を語り、閉山後に島から出た人びとの貴重な声を収録する。第四章・第五章は、世界遺産に向けた取り組みと、それがどうなったかを記録する。「明治日本の」と世界遺産に定義された端島・軍艦島の「その後の端島」のリアルな姿がここにある。■序章 世界遺産と「産業遺産」■第一章 軍艦島の現在●軍艦島上陸ツアー●第二見学所●第三見学所●故郷を廃墟と呼ばれて■第二章 島に生きて●小学六年生、端島へ●離島と船●子供たちの日常生活●学校生活●端島にあった各種施設●島の四季●閉山■第三章 それぞれの端島●「炭鉱の島」ゆえの、それぞれの事情■第四章 世界遺産に向けての挑戦●はじまり●軍艦島を保存したい!●不協和音●九州内の産業遺産の連携がはじまる●近辺●世界遺産になるのは教会群か、近代化産業遺産か■第五章 これからの軍艦島 課題と未来への展望●世界遺産という位置づけ●世界遺産と観光の実際●一人ひとりが考えたい軍艦島の姿●軍艦島からのメッセージ
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