昭和100年 電子書籍版
2090円(税込)
作品内容
万博・五輪・宇宙開発・原子力……、「昭和」という亡霊はいつまで僕らを呪縛し続けるのか?セビリア、ミラノなど世界の万博跡地から見えてきた2025年大阪万博問題とは?1964年東京五輪がなければ、高度成長はしていなかったのか?種子島・宇宙基地、米・核実験博物館、独・原発跡地遊園地から見えてきた「近代」とは?古市憲寿が「昭和の夢」の跡を歩きながら考えたこと――。【本文より】 昔からタイムリープや転生をテーマにした作品を観るたびに思っていたことがある。もしも成功する人生の選択肢が提示されたとして、僕たちは本当に、元々の人生を潔くあきらめられるだろうか、と。 たとえば、本当だったら僕と一緒に笑っていたはずの友人が、他人として目の前を通り過ぎていく。この「成功」するための人生では彼らと知り合う必要はない。その運命に人は耐えられるのだろうか。思わず彼らに声をかけたくはならないのだろうか。 この、ろくでもない「昭和100年」を迎える日本だからこそ、出会えた人もいれば、生まれた小説や映画、音楽がある。素晴らしい「昭和100年」では、同じ人間でも思想や信条は違ったものになっていただろう。当然ながら、本書『昭和100年』も出版されていなかった。 僕たちは、この「昭和100年」を迎える世界だからこそ、僕たちとして存在している。
作品情報
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