民族という政治 電子書籍版
4180円(税込)
作品内容
ある「民族」とされることが、人々になにをもたらし、なにを求めさせるのか。ベトナムの54「国定民族」は、いかにして確定されたのか。ドイモイ以降の「自由化」により、これまでの民族の枠組みを見直し「新たな民族」を要求する声があがりはじめた。ある「民族」とされることが、人々になにをもたらし、なにを求めさせるのか。多民族国家における上からの民族政策のはらむ危うさを明らかにしていく。[目次]序論 13 第1節 本書の目的 14 第2節 本書の構成 17 第3節 研究手法 20 第4節 先行研究 25 第5節 ベトナム少数民族概観 30 第1章 ベトナム民主共和国における民族確定作業 35 第1節 ベトナム民族学の誕生 36 第2節 中国の民族識別作業 40 第3節 ベトナム民主共和国における民族確定作業 51 第2章 ドイモイ下の少数民族援助・優遇政策 77 第1節 1989年の共産党政治局22号決議とその背景 78 第2節 「135プログラム」の目的と対象 80 第3節 「135プログラム」の結果 84 第4節 「135プログラム」の課題 91 第5節 「135プログラム」第2フェーズ 95 第3章 21世紀の民族確定見直し作業 97 第1節 1999年の国勢調査とサブグループからの不満の噴出 98 第2節 声をあげたサブグループ(1)カオランとサンチー 99 第3節 声をあげたサブグループ(2)グオン 124 第4節 総括セミナーと国定民族成分リストの行方 150 第5節 声が届かないサブグループ 153 第4章 利用される「極少少数民族」オドゥ族 199 第1節 オドゥ族の居住状況 200 第2節 来歴をめぐる伝説 202 第3節 創られた「自称」 205 第4節 民族混淆状況と言語 207 第5節 オドゥ族の分類の歴史―“絶滅”の危機?― 211 第6節 激増する「オドゥ族」 214 第7節 降ってわいたダム建設 216 第8節 民族別「優先」移住と家族の離散―本当の危機― 218 第9節 オドゥ族への特別のプログラムとトゥオンズオン県の思惑 231 第10節 移住先でのオドゥ族と新たな民族間対立 236 結論 権益としての民族――国家・地方政府・当人たち 247資料 263 [地図9]ベトナム全国の主な省名・省中心地名 [地図10]ベトナムの地方区分 [表21]国勢調査によるベトナムの国定民族別人口変動(1979, 1989, 1999) [表22]1960年3月1日北部民族別人口 [表23]1974年4月1日北部民族別人口 「135プログラム」原文 政府首相の決定(135号/1998/QD-TTG 1998年7月31日)参考文献・インタビュー一覧 279あとがき 294人名・事項索引 299
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