写真文学論 見えるものと見えないもの 電子書籍版

  • 写真文学論 見えるものと見えないもの 電子書籍版
  • 5280円(税込)

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    作品内容

    写真がその成立に大きな役割はたしている文学作品――写真文学――とは何かを探求する。ローデンバック『死の都ブリュージュ』、ブルトン『ナジャ』、モディアノ『ドラ・ブリュデール』、デュラス『愛人』、ゼーバルト『アウステルリッツ』などの主要作品からその核心に迫る冒険の書。【主要目次】はじめに序章 写真文学とは何か1 小説の危機と写真文学の誕生2 顔の物語3 言葉のイメージと写真イメージの交点――風景としての人間4 顔の消滅、顔の出現――写真文学の世界へ第I部 顔、風景、ドキュメント――写真の中の見えないもの第1章 風景写真の使用法――ジョルジュ・ローデンバック『死の都ブリュージュ』(一八九二)1 無人の街路――風景写真の使用法2 写真都市ブリュージュ3 絵葉書とは何か4 出現のモチーフ第2章 肖像写真の使用法――アンドレ・ブルトン『ナジャ』(一九二八、一九六三)1 肖像写真の使用法I――ヒロインの顔を示さないこと2 「取り乱した証人」3 肖像写真の使用法II――男たちの写真4 風景写真の使用法――凡庸さの外観、扉としての写真第3章 ドキュメント写真の使用法――谷崎潤一郎『吉野葛』(一九三一、一九三七)1 「初音の鼓」――『吉野葛』における写真の使用法2 虚構の手紙の写真3 手帳の写真――W・G・ゼーバルト「アンブロース・アーデルヴァルト」をめぐって4 写真は実物に似ているのか第II部 空白のスクリーン、不在の写真第4章 戦争の記憶、空白のスクリーン――ジョルジュ・ペレック『Wあるいは子供の頃の思い出』(一九七五)、パトリック・モディアノ『ドラ・ブリュデール』(一九九七)1 子供の写真――空白の部屋(ペレック『Wあるいは子供の頃の思い出』I)2 偽りの記憶――批評的自伝(ペレック『Wあるいは子供の頃の思い出』II)3 透かし模様のスクリーン(モディアノ『ドラ・ブリュデール』I)4 ドラの顔(モディアノ『ドラ・ブリュデール』II)第5章 不在の写真――マルグリット・デュラス『愛人』(一九八四)、アニー・エルノー『娘の回想』(二〇一六)1 「絶対の写真」――行為としての写真(デュラス『愛人』I)2 「絶望の写真」――イメージの場所(デュラス『愛人』II)3 撮られなかった写真――エルノーの場合(『娘の回想』)4 写真が作り出す現実――アニー・エルノー『写真の使用法』第6章 記憶の想起と写真――W・G・ゼーバルト『アウステルリッツ』(二〇〇一)1 迷子の写真――主人公の肖像写真2 リヴァプール・ストリート駅の情景――見えない写真3 『アウステルリッツ』と『失われた時を求めて』――見出された時と写真の使用法4 母親の肖像第III部 日常生活と写真第7章 日常礼讃――ロラン・バルト『ロラン・バルトによるロラン・バルト』(一九七五)1 伝記素――私的な生活2 写真と俳句3 「存在の増幅器」としての写真――ジル・モラ/クロード・ノリ『写真宣言』(一九八二)4 肖像写真に写らないもの

作品情報

出版社
東京大学出版会
提供開始日
2024/06/21
ジャンル
文芸

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