排除と抵抗の郊外 フランス〈移民〉集住地域の形成と変容 電子書籍版

  • 排除と抵抗の郊外 フランス〈移民〉集住地域の形成と変容 電子書籍版
  • 5060円(税込)

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    作品内容

    第16回大佛次郎論壇賞、第33回渋沢・クローデル賞受賞!2015年パリ同時多発テロ以来、注目を集める「ホームグロウン」の若者たち。そのような移民・マイノリティの若者が集住する「郊外」はどのように形成されたのか。「郊外」を起点にフランス主流社会とマイノリティの亀裂をたどり、暴力の背後にある排除と抵抗の実態にせまる。【序章「フランス主流社会とマイノリティの亀裂を問う」より】「しかしこの悲劇(出版社注:2015年パリ同時多発テロ)は「グローバル・テロリズム」とそれに抵抗する「民主主義」というような図式には容易に収まりきらない背景を持っている。それは過去30年にわたって深まってきた、フランスの主流社会と移民・マイノリティの間の亀裂である。実行犯の多くは、ヨーロッパで生まれ育った「ホームグロウン」のエスニック・マイノリティの若者たちであった。彼らをこのような暴力へと向かわせる社会構造とはいったい何なのだろうか。本書は、フランスで現在「紛争」と化している事態を、マジョリティとマイノリティの間にある「亀裂」という角度から考察していくものである。」【主要目次】序章 フランス主流社会とマイノリティの亀裂を問う1 フランスの移民統合の理想と現実――OECDの比較調査から2 移民からエスニック・マイノリティへ――呼称変化とアプローチの転換3 郊外「セーヌ・サン・ドニ県」への注目1章 フランス郊外研究の視座――空間と結びついたマイノリティの差別と排除1 日本とは異なる郊外像2 モラル・パニックとメディア、政治空間3 先行研究における「郊外」の位置づけ4 本書の枠組み――差別、排除、レイシズム5 本書の方法と構成2章 多様化する郊外とマイノリティ1 「移民」と「郊外」の関係を整理する2 郊外をめぐる複数の空間的アプローチ3 「移民」と居住の多様化――中産階級の台頭4 「移民」カテゴリー内部における分極化の進行――郊外貧困地区の状況の悪化と時間的変化5 「郊外問題地区」の類型化とセーヌ・サン・ドニ県の事例3章 排除空間の形成と国家の役割――フランス的例外か?1 「マイノリティ集住地区」としての郊外はどのように形成されたのか2 工業地区の郊外3 団地の郊外4 移民の郊外5 結びにかえて――排除空間としての郊外と国家4章 「赤い郊外」の変容と都市政策の展開1 問題設定2 「都市政策」の誕生と展開3 脱工業化のインパクトと「赤い郊外」の変容4 市政と住民をつなぐ新たな媒介の模索5 「都市問題」という解読格子の誕生と定着6 階級問題から「都市問題」へ――「赤い郊外」における解読格子の変化5章 再生事業と住民コミュニティへの影響1 地域社会の底上げか、下層マイノリティの排除か?2 「ソーシャル・ミックス」の評価3 住民はどこに行ったのか?4 「ミックス」の実情と課題5 都市政策と地域社会の再編6章 郊外マイノリティの多様な抵抗1 エスニック・マイノリティの若者たちをめぐる参加と抵抗2 アソシエーション活動を通した抵抗――文化表現から政治活動へ3 問題化される「参加」――ラップの事例4 おわりに7章 風刺新聞社襲撃事件と「見えない断絶」――フランス統合モデルの限界・弊害とマイノリティの疎外1 追悼デモに来なかった「郊外の住民」たち2 事件直後の「郊外の住民」の反応3 「テロ対策」としての3つの改革――治安、教育、郊外4 カラー・ブラインド原則とその実態――まなざしの人種化5 文化的統合の深化と(それゆえの)問題化というパラドクス6 ダブル・スタンダードが生み出す問題7 プラグマチークな解決にむけた道のり終章 脱領域的なマイノリティ研究をめざして1 亀裂を生じさせる二重の「乖離」2 郊外の比較社会学に向けて――変容する日本の郊外へのまなざし3 「客観性」としてのマイノリティの視座文献一覧あとがき地名・人名索引事項索引

作品情報

出版社
東京大学出版会
提供開始日
2023/09/01
ジャンル
ビジネス・実用

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