新版 分裂病と人類 電子書籍版
3080円(税込)
作品内容
精神の病を人類史・文化史に位置付けた記念碑的名著統合失調症の概念の起源を、人類の文化史にさかのぼる。精神の病を文化・歴史的な深みで考究する著者一連の著作の原点。全新組。【主要目次】第1章 分裂病と人類――予感、不安、願望思考序1 “先取り”的な構え2 狩猟民的な認知特性3 農耕社会の強迫症親和性4 近代と分裂病親和者5 人類学的な有利さ第2章 執着気質の歴史的背景――再建の倫理としての勤勉と工夫1 “甘え”の断念2 再建の仕法家――二宮尊徳3 立て直しと世直し4 世俗倫理の盲点付 自己抑制の倫理――武士階級第3章 西欧精神医学背景史序1 古代ギリシア2 ギリシア治療文化の変貌3 ヘレニズムに向かって4 ローマ世界とその滅亡5 中世ヨーロッパの成立と展開6 魔女狩りという現象7 魔女狩りの終息と近代医学の成立――オランダという現象8 ピネルという現象――一つの十字路9 ヨーロッパ意識の分利的下熱10 ピューリタニズムと近代臨床11 フランス革命と公式市民医学の成立12 啓蒙君主制下の近代臨床建設13 新大陸の“近代”14 大学中心の西欧公式精神医学15 力動精神医学とその反響16 二十世紀における変化17 西欧“大国”の精神医学18 西欧“小国”の精神医学19 ロシアという現象20 “向精神薬時代”と巨大科学の出現21 神なき時代の西欧精神医学22 ヨーロッパという現象おわりに――“神なき時代”か?あとがき新装版あとがき中井久夫(なかい・ひさお)1934年奈良県に生れる。1959年京都大学医学部医学科卒業。1980年神戸大学医学部精神神経科教授。1995年兵庫県こころのケアセンター長。1997年甲南大学文学部臨床心理学教授。主要著訳書に『精神科治療の覚書』(日本評論社、1982)、『中井久夫著作集 精神医学の経験』全3巻 別巻 1(岩崎学術出版社、1984-85)、『家族の深淵』(みすず書房、1995)、『1995年1月 神戸』(共著、みすず書房、1995)、『昨日のごとく』(共著、みすず書房、1996)、『最終講義―分裂病私見』(みすず書房、1998)、『西欧精神医学背景史』(みすず書房、1999)、『治療文化論』(岩波現代文庫、2001)、『徴候 記憶 外傷』(みすず書房、2004)、『時のしずく』(みすず書房、2005)、ヴァレリー『若きパルク/魅惑』(みすず書房、1995、2003)、ハーマン『心的外傷と回復』(改訂版、みすず書房、1999)、『サリヴァンの精神科セミナー』(みすず書房、2006)などがある。
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