歴史のなかのラディカリズム 電子書籍版
2530円(税込)
作品内容
混迷と閉塞の現代にラディカリズムを再検証する!現状を打破しようとする認識と行動を「ラディカリズム」と規定するならば、その担い手たちがいかなる思想を持ち、その行動領域のなかでどのように何を成し遂げようとしていたのか。本書は、その姿を大まかに「抵抗ラディカリズム」と「対抗ラディカリズム」の二つに分類し、政治学、歴史学、文学の独立した方法論のなかで、それぞれの出来事を具体的な分析対象として論じ、現実に何が起こったのか、そして主たるもの、あるいは主になりうるものに対する反抗の運動形態は如何なるものだったのかを検証する。現状打破と対抗アクションは19世紀や20世紀に限定されず、現在でも多くの場で共通性を見出しうる。その意味で、極めて対象領域の広い「ラディカリズム」を考察した本書は、現在の混迷する時代への示唆に富む書である! 主な目次序 論 歴史の場としての「ラディカリズム」 第一部 「対抗ラディカリズム」第一章 三王国戦争期イングランド王党派ネイション概念とラディカルな契機──『月面の男』を手掛かりに………小島望1 問題の所在2 『月面の男』におけるネイション概念第二章 ドイツ帝国の「反軍国主義」とプロイセン・ドイツ軍における「対抗ラディカリズム」……………………中島浩貴1 多様性のなかの「反軍国主義」──「対抗」文化としての社会主義、自由主義の軍事論と平和主義2 「反軍国主義」とプロイセン・ドイツ陸軍──研究史上の問題と軍の現実認識3 「反軍国主義」的軍事論と「対抗プロパガンダ」終わりに──「反軍国主義」に対抗する対抗ラディカリズムの形成第三章 日本における反動右翼のラディカリズム──「イデオロギーの内戦」1917 ~ 1941 年…………………新谷卓1 「イデオロギーの内戦」とアンティ・共産主義2 右翼とは何か3 第一次世界大戦後の「イデオロギーの内戦」4 急進化するイデオロギー5 「イデオロギーの内戦」の終結と「想像の敵」第二部 「抵抗ラディカリズム」第四章 政治を超えたラディカリスト 福本和夫……清水多吉1 後年の「フランクフルト学派」の人たちとの交叉2 論壇に登場──「山川イズム」を批判3 「コミンテルン」の非難で「水に落ちた犬」へ、そして逮捕4 獄中一四年で得たもの5 柳田国男を超えて──『日本ルネッサンス論』6 検証されるべき遺産第五章 1920/30年代 反体制派のなかの反対派──「転向」と「山川イズム」、左派社会主義労働組合運動……ティル・クナウト1 山川イズム2 本所における左派社会主義的労働運動3 人民戦線と転向第六章 1920/30年代ドイツ小規模社会主義組織におけるラディカリズム──ISKとノイ・ベギネンを中心に……鈴木健雄1 ISKのラディカリズム2 ノイ・ベギネンのラディカリズムおわりに代えて:二つの「ラディカリズム」から見えてくるものとは?第七章 「戦後派文学」にとっての「戦後」理念──佐々木基一と60年安保闘争…………………………………………………坂堅太1 平野謙の「変質」2 「近代」批判の反復とその意味3 六〇年安保闘争に見出されたもの4 安保闘争の二重性とその問題点5 「戦後」理念の失効
作品情報
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