ヨーロッパ 時空の交差点 電子書籍版
3850円(税込)
作品内容
【内容紹介・目次・著者略歴】ひとは、場所に教えられる。パリの街角で、文人や芸術家の筆音に耳を傾ける著者は、人里離れたトルコ南部の松林でローマ土器のかけらと出会い、村人の暮らしに想いを馳せる。皇帝ユスティニアヌスが帝都コンスタンティノープルに収集させたギリシャ古典群に学び、コペルニクスがイタリアで学んだギリシャ古典の来歴をたどろうとする。それは、ときと場所に縛られて生きるわれわれにとって、時空の交差点をめぐる旅となった。ビザンツ研究に始まる著者の「旅」は、国民国家の枠にとらわれない歴史と現代を巡る往還となる。その道すがら、ヨーロッパ=地中海世界の各地に、個性ある文化と歴史をたずねた。簡潔な文体で伝える「旅」のエッセイにして、興趣あふれる旅の手引き。英独仏に視野が限られがちなヨーロッパ観を、ローマ帝国および、アラブ・イスラム世界をも含んだビザンツ帝国へと導き、未知のヨーロッパ像を提示する。西洋史はもちろん、現代EUの課題を考える際にも豊かな示唆を与えよう。『創文』連載を全収録。【目次より】目次I 文化の回廊共生する空間共鳴する魂日溜まりの祝福凜と聳える平和の祈り緋色の誓い文化の回廊女神の加護集いの緑蔭地上花あり咲き映えり仰ぎ見る峰聖ニコラオスの島II 聖者の祝福聖者の祝福憩う海辺の時谷に翔る風祝祭の広場新緑の都で異邦の民にカロゲロス聖堂の傍らで継がれる想い祈りと加護フィロビブリIII 帝国と慈善ディダスカロス境域に生きる帝国と慈善休息と安寧馬上のキス帝国の統治についてアンナの想い燦然と烈日のもと秋霜に生きる天への階梯IV 大地の相貌自然を友に池の畔の蛙たち地域を描く大地の相貌神々の山裾に逸楽と超俗コーラを想うブレヒ!灯明の残り香村の生活満点の星々にV 歴史の軌道コペルニクスの転回平和の架け橋描かれた紫衣揺るがぬ矜恃時空の座標時を刻むなかでアクイレイアの残照豊かな共生エビデンス歴史の軌道オイノペドン広場の平和都市と慈善大王の遺風文化を運ぶ石畳共鳴する偉業富知のネクサス地図あとがき※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。大月 康弘1962年生まれ。 歴史学者、経済学者。一橋大学大学院経済学研究科教授。専門は、東ローマ帝国史、ヨーロッパ経済史。一橋大学経済学部卒業、同大学院経済学研究科修士課程修了、同大学院経済学研究科博士後期課程単位取得退学。経済学博士。著書に、『帝国と慈善 ビザンツ』(日経・経済図書文化賞)『ヨーロッパ 時空の交差点』『コンスタンティノープル使節記』(リウトプランドの原文全訳+註および論文)訳書に、ピエール・マラヴァル『皇帝ユスティニアヌス』ベルナール・フリューザン『ビザンツ文明』マガリ・クメール/ブリューノ・デュメジル『ヨーロッパとゲルマン部族国家』(共訳)などがある。
作品情報
作者の関連作品作者の作品一覧