ホワイトルーキーズ 6 電子書籍版
1760円(税込)
作品内容
「僕の手は…患者さんを苦しめてはいないでしょうか」。現役医師が書く医療と責任と家庭の間。話題の研修医物語の三年後とは?風見司が初期臨床研修を終えてから、三年が経過していた。彼は五年間を過ごした思い出の地を離れ、内科医としてより研鑽を積むべく、「北海道総合病院」で新生活を始めていた。大規模な病院であるため医師の数も多く、院内には大勢の研修医たちの姿が見られる。風見は今や研修医を指導する立場になっており、同院の研修医の指導を任されたが、患者への治療と安全を優先して、いったん指導を中止したことから不和が生じてしまう。自分の研鑽だけに集中できた研修医時代とは異なり、監督する責任と患者への配慮を要する状況で、後輩の面倒を見る難しさを痛感する。折しも、風見はかつての同期である清水涼子に院内で出くわす。彼女は医局人事で北海道総合病院に赴任したのだが、空知総合病院を旅立ってから膠原病内科医として順風満帆な生活を送っており、すでに内科専門研修プログラムも終えて医師として大きく成長していた。風見は空知総合病院で働き続けてきたが地方の一病院の医師であり、「専攻医」としてのキャリアを積んでいなかったことから、順調な彼女と自分を比較してしまう。一方の清水は生活のすべてを医師としての時間に充ててきたせいで、自分には別の道もあったのではないかと迷いが生じていた。研修医時代に結婚した朝倉雄介と詩織は順調な新婚生活を送っていたが、転勤を繰り返すたびに気持ちがすれ違うようになっていた。医師として研鑽を積み社会での役割を果たす責任と、夫婦仲や結婚生活の維持との板挟みになってしまう。雄介は詩織との生活に専念しようとキャリアを捨てる決断をするが、周囲との関係もあり実行できずにいた。そして詩織も、研修医の指導を任されるが、彼女との相性は悪く疲労感を抱えることになる。四人の立場は変わり、それぞれが家庭と仕事の折り合いをつけながら、また新たな命を育みながら、医師としての未来を選んでいく。広大な北海道の大地を踏みしめて。佐竹 アキノリ(サタケアキノリ):1992年、北海道生まれ。2014年、アルファポリス・ファンタジー小説大賞特別賞受賞しデビュー。2020年、医師国家試験合格、初期臨床研修を開始。2022年から内科専攻医として勤務中。著書に「最強騎士団長の世直し旅」(ヒーロー文庫)他、多数。ふすい(フスイ):イラストレーター、装画家。現実を土台に幻想的な透明感や空気感を表現する作風で人気。『青くて痛くて脆い』『レゾンデートルの祈り』等の書籍装画をはじめ、挿絵、児童書、広告、MVイラスト、CDジャケットのイラスト等を中心に活躍。初めての画集『Brililiant World』も話題。
作品情報
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