住宅建築 2023年2月号 電子書籍版
1900円(税込)
作品内容
極小空間の醍醐味 DIYで小さな家を建てたり、書斎として小屋を設けたり、在宅ワークや移住など暮らし方の変化に伴って、「小さな空間」への注目が高まっている。実際に手を動かしてつくることの楽しさが味わえること、解体・移築が容易なこともその理由だろう。日本建築史意匠を専門とする松崎照明氏によれば、元来、日本では山修行のための行者の庵や鴨長明の方丈庵、茶室など、小さな建築が重要な役割を果たしてきた。また名建築として知られる千利休の「待庵」や、コルビュジエの「カップ・マルタンの休暇小屋」をはじめ、小さな空間には設計者の創意工夫が凝縮され、自然の要素を取り込んだ豊かさがある。特集では、現代の極小空間7題を紹介する。また、ジャン・プルーヴェも多数の小屋を手がけたが、2022年秋に開催され、BCC組立式住宅の実物展示などで話題となった「ジャン・プルーヴェ展 椅子から建築まで」(東京都現代美術館)の山名善之氏によるレポートも掲載する。 ●特集 極小空間の醍醐味 /小さな家の思想 文=松崎照明●園児が初めて体験する日本建築 樹上の待庵 設計=すわ製作所/眞田大輔・西寿隆●和束町の茶畑で茶をたしなむ 組み立て茶室 設計=すわ製作所/眞田大輔・西寿隆・早川太史●2畳の茶室で非日常を楽しむ 勝福寺正庵 設計=大角雄三設計室●仲間が集い、海景に漕ぎ出す小船 SEA SCAPE CABIN 設計=トシプランニング/渡邊俊雄●ローコストで静謐な空間をつくる Sauna Hutte 設計=うがつ/藤木慶一●地域材を使い、地域の職人と共につくる KOYA 設計=環境デザインワークス/清水裕且●中庭の景色を取り込んで、伸びやかに暮らす BARN 8 設計=吉本剛建築研究室●展覧会レポート 東京都現代美術館 「ジャン・プル―ヴェ展ー椅子から建築まで」 Condtructive Imaginationの共振の輪の拡がり 文=山名義之●うなぎ漁師・建築家 高原次郎兵衛正伸●つくる・住む・生きる場所 54帖の中庭 設計=高原次郎兵衛正伸●小さな箱に能舞台を落とし込む Kagiyama gallery bar -賀儀山君の箱- 設計=高原次郎兵衛正伸●尽きない箱談義―小さな箱の無限の可能性 高原次郎兵衛正伸×賀儀山泰志×山本耕平×ストーレンマイヤー・ジョナサン●私の建築人生―自力建設、うなぎ漁師、そして船の生活 高原次郎兵衛正伸●特別記事 生き続けるレーモンドの学び舎 香里ヌヴェール学院とノートルダム清心女子大学 寄稿・松隈洋/田村かすみ/玄田悠大/上田恭嗣●次代の建築家 第7回 Yamanone no ie 設計=FUDO/三輪直樹●手描き図面に込めた想い 第10回 林雅子の建築 その6「段床の家」 監修・文=白井克典●書評 『吉阪隆正パノラみる』(アルキテクト+北田英治 編著、建築資料研究社) 『百年の孤独』(ガルシア・マルケス 著、鼓直 訳、新潮社) 『未来のコミューンー家、家族、共存のかたち』(中谷礼仁 著、インスクリプト) 評者=齊藤祐子●イベント
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