音楽家はいかに心を描いたか 電子書籍版
1780円(税込)
作品内容
バッハの『マタイ受難曲』にある「私の心は涙の中を泳ぐ」。バッハのこの箇所で水泳の様子を表現した。音符のつらなりから、その泳法は「平泳ぎ」であることを著者は解き明かす。イエスの物語を見事に描いたバッハをはじめ、恋に「人間心理」を読んだモーツァルト、英雄ナポレオンの「気宇壮大」を表現したベートーヴェン、「空虚」に降り立ったシューベルトらの物語。音楽家との対話から「人間」が見えてくる。「ドン・ジョヴァンニがツェルリーナを誘惑する場面で歌われるこの二重唱を分析してみると、モーツァルトの曲の作り方が、人間心理の弱点を突いた、全く理にかなったものであることがわかる。こうした理にかなった曲の作り方が、ドン・ジョヴァンニの誘惑ぶりに説得性をもたせる結果になり、舞台のうえで繰り広げられる籠絡場面に、聴衆も違和感を感じないまま引き込まれていく結果を生む。その背景には、人間心理に対するモーツァルトの深い洞察があった」(本文より)
作品情報
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