泉鏡花 現代語訳集15 陽炎座 電子書籍版

  • 泉鏡花 現代語訳集15 陽炎座 電子書籍版
  • 220円(税込)

    • 本作品について、無料施策・クーポン等の割引施策・PayPayポイント付与の施策を行う予定があります。
      この他にもお得な施策を常時実施中、また、今後も実施予定です。詳しくはこちら

    作品内容

    【あらすじ】春たけなわのある日、亀戸天神へ参拝した帰りに、水のぬるんだ、川沿いの通りを陽炎に纏いつかれながら来ると、どこからともなく、遠くで鳴物の音が聞こえ始めた。「狸囃子というんだよ、昔から本所の名物さ。」「あら、嘘ばっかり。」ちょうどそこに、美しい女と、若い紳士が居合わせて、こう言葉を交わしたのを松崎は聞き取った。気をそそって人を寄せる、その囃子に誘われて来ると、ここにも、そこにも、ふらふらと、春の陽を中へ取り込んで、白く点したような行燈を軒に掛けた、木賃宿の並ぶ場所。周囲とは場違いな、大きく立派な空家が一つあって、それを囲む、二間ほどの高さの古い船板塀の前に、お玉杓子が群がって押し競饅頭しているように、子どもが大勢集っていた。そこに敷かれた、じめじめした筵の舞台で、飛んだり、跳ねたり、ばたばたばたと演じられていた子ども芝居を何気なく観始めると、先ほどの二人連れが、やはり囃子に導かれて来たらしく姿を現した。その奇妙な芝居の中で、近頃亡くなった近所の評判娘、忘れ得ぬその娘の名を松崎は耳にする。そして、美しい女もまた、その名に、帰りかけた足を止めたのであった。

作品情報

出版社
BCCKS Distribution
提供開始日
2016/04/29
ジャンル
文芸

同シリーズ

作者の関連作品作者の作品一覧