創(つくる) 2024年12月号 電子書籍版
600円(税込)
作品内容
雑誌ジャーナリズムはいま、総体として危機に瀕しているような気がする。総合誌と呼ばれる雑誌は、この間次々と廃刊の憂き目にあっている。映像メディアが影響力を増大させているのと反比例して、雑誌メディアはジャーナリズムのなかでレゾンデートルを失いつつあるように見える。画一的な情報洪水のなかで排除されてしまう異論や少数意見を積極的に取り上げてきたのが『創』である。例えば大手マスコミが連日押しかけ、テレビ局がヘリコプターを飛ばすなどして外側から何とか覗こうとしていたオウム真理教・麻原前教祖の三女の邸宅に初めて足を踏み入れたのは『創』だった。あるいは連続幼女殺害事件から8年間、あれだけ報道がなされながら、宮崎勤被告が初めて心境を語ったメディアが『創』だった。これらは決して偶然ではない。大手マスコミがいくら物量作戦を展開しても、いやそうすればするほど肉迫するのが困難になるものも存在するのである。『創』は常に独自のスタンスで大手マスコミの報道できない領域に挑んできた。ゲリラに徹することが、雑誌ジャーナリズムに残された存在領域だと思うからである。 ●今月のONE SHOT ABEMAで議論した「死刑囚の獄中結婚」●目次●月刊 嘲笑の時代 将軍からへ翔平 自民話「ガチガチ山」 マッド・アマノ●現地在住の落合誓子さんが捉えた能登半島豪雨の爪跡●第20回「死刑囚表現展」に出品された死刑囚の作品●山田浩二死刑囚の、驚きの「死刑囚表現展」出展作品●植松聖死刑囚の「表現展」出展作品と獄中結婚報告●「BOOK MEETS NEXT」と「HONYAL」の取り組み●キャメルングループの朗読コンサートと切り絵●〈NEWS EYE〉『モーニング』連載「社外取締役島耕作」が抗議を受けて謝罪●〈NEWS EYE〉福井女子中学生殺人事件でも再審開始決定が!……今井恭平●能登半島在住者の目から見た豪雨の傷跡……落合誓子● 「死刑囚表現展」作品に込められた死刑囚たちの思い……太田昌国●袴田事件当時の捜査に対するこれだけの疑問……小川秀世●袴田無罪判決で新聞が謝罪、事件報道の構造は変わったのか……編集部●「頂き女子りりちゃん」と「被害弁済プロジェクト」……篠田博之●タレント文化人 筆刀両断! 【韓鶴子】…佐高信●望月衣塑子の「現場発」 【反省はどこに? NHKの起用再開】……望月衣塑子●「こころの時代」解体新書 【衆院選の結果に感じた深い安堵】……香山リカ●極私的メディア論 【ザ・ベストテレビ】……森達也●ナショナリズムという病理 【モスクワ訪問記(下)】……佐藤優●再審弁護人のベレー帽日記 【付審判決定と抗告】……鴨志田祐美●ドキュメント雨宮☆革命 【闇バイト強盗と諸外国の分厚いセーフティネット】……雨宮処凛●書店の苦境に対抗して書店流通改革の動きが続々……編集部●ABEMA「獄中結婚」議論と植松死刑囚めぐるその後……篠田博之●ただいまリハビリ中【悲しい出来事】……重信房子●映画『天外者』五代友厚研究者の訃報●いつも心に6Steps【“自分が変われば世界も”〈手に入らなかったからこそ〉】…空羽ファティマ●読者の声●今月の編集室から
作品情報
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